愛よろしく

おかしなことを言う。
本来直視できなかったものが実に軽率になっていく。
肌に吸収される潤いの瑞々しさとは程遠い浸透を見せる。
履き違えるし、為違える。
過ぎ去るものだろうと考えることさえなく私が眠る夜に、清々しい決意がなされていたのかもしれない。
喜びの約束されない朝日の中で私がカーテンを開ける頃に、もうそれは絶えてしまっていたのかもしれない。
理解のない納得が訪れるのが先か、納得に至らない理解で忘憂が訪れるのが先か。
ややこしくする必要はなく、騒ぎ立てる粗野もせず、
ただ今は一元論が悲しみに似た羨望のもとに存在しているかのように感じてしまうのは、
如実が倒影してしまいそうな愁嘆が自身のためなのではという恐怖があるから。
事実はそれでも遠くて、未だ頭の中で響くだけだ。