2012-10-03 頬甚三紅 まここ 染め上げた唇から突いて出るのは 慣れたのか慣れぬのか詰まらないことばかり でもその貪婪な様は、私が霧がけた心を闡明する ああいやだ、よしてください 恬淡な光を放たせた目も、 それを保てなくなるでしょうに やめてください これではまるで、僭する惨めな売女のようだわ ああ、桟敷に座っても届きやしないこの照りつけの中 徒跣で進もうが扇情的な千三つ屋なんて居やしない こうと分かっていたら、筌に掛かって泣いていたのに