新しい晩夏

未来に生きる自分を思い描いてみると、それはいつも秋か冬で、曇りか雨だった。
どうやら今の季節は、僕からとても遠いところにあるらしい。
一方で、過去を振り返ってみると、当然のことながら、すべての季節においてその情景や空気の匂いが思い出される。

単なる想像力の欠如。そうかもしれない。
更なる記憶力の欠如。そうかもしれない。

しかし、過ぎた季節はどれも美しく、
この瞬間までもが記憶に組み込まれるとしたら、その遠い季節は、いつから僕に寄り添ってくれるのだろうか。

妙なる経験の欠乏。そんなことはない。