2012-08-29 新しい晩夏 鷦鷯 未来に生きる自分を思い描いてみると、それはいつも秋か冬で、曇りか雨だった。 どうやら今の季節は、僕からとても遠いところにあるらしい。 一方で、過去を振り返ってみると、当然のことながら、すべての季節においてその情景や空気の匂いが思い出される。単なる想像力の欠如。そうかもしれない。 更なる記憶力の欠如。そうかもしれない。しかし、過ぎた季節はどれも美しく、 この瞬間までもが記憶に組み込まれるとしたら、その遠い季節は、いつから僕に寄り添ってくれるのだろうか。妙なる経験の欠乏。そんなことはない。